着実に増えていく小水力、急伸する小形風力

2017年4月に改正FIT法が施行され、日本の再生可能エネルギーは大きく舵を切ろうとしています。

再生可能エネルギーの普及をうながすためのプレミアムを徐々に減らしていき、採算がとれる産業として自立させていくこと。太陽光発電に偏った普及から、その他の電源開発を推進する方針にシフトしています。

現在、再生可能エネルギーの発電量のうち9割以上を太陽光が占めています。夜間に発電することができず、天候にも左右する太陽光だけでは安定した発電量を確保することができません。電力の安定供給という面からも洋上風力や地熱、水力、バイオマス発電の普及が期待されています。

太陽光発電が普及したのは、稼働部がなく、わかりやすい構造であるという側面があります。その他の再生可能エネルギーは太陽光発電に比べると複雑で知識が必要です。

太陽光発電の買取価格の下落、改正FIT法の施行を控え、太陽光以外の有望な電源を探る動きが続いています。現時点で、太陽光発電以外の再生可能エネルギーの開発はどの程度進んでいるのでしょうか?経済産業省が公表している数値を集計してみました。

発電量が最も多いのはバイオマス発電。大型設備が寄与?

集計には、経済産業省が公表する再生可能エネルギーのうち、固定価格買取制度の後に開発され(新規)実際に発電が始まった(導入)データを使いました。

太陽光を除く再エネの発電量(新規導入分)

発電量で比較すると、一般廃棄物・木質以外のバイオマス発電が最も多く発電されています。濃い緑の折れ線グラフを見てもわかる通り、2回発電量が急伸しています。おそらくメガワット級の大型設備の発電が始まったためだと思います。

バイオマス、と聞いてすぐに思いつく未利用木材を原料にした発電は、575MWにとどまっています。このグラフでは一番下に重なっていて推移はよくわかりません。日本の森の多くは山間部に集中しており、未利用木材を運搬するのは非常に大変です。そのため、なかなか普及が進んでいません。

一般廃棄物・木質以外というのは、おそらくヤシ殻を輸入して燃料としている発電設備だと思います。熱帯雨林の破壊の一因ともいわれるパームヤシの殻を輸入して燃料として使うことに賛否両論はありますが、エネルギーミックスという側面では大きな発電量を達成しています。

着実に増えていく小水力、急伸する小形風力

件数の推移も見てみたいと思います。200kW未満の小水力が着実に伸びており、件数としては最も多いカテゴリーです。次いで、メタン発酵ガス。20kW未満の小形風力と続いています。

太陽光を除く再エネの件数(新規導入分)

小水力は水の流れがあり、落差があるところに設置でき、幅1mほどの水路でも設置できるようです。河川や上下水道、農業用水、公園を流れる水路、工場や高層ビル、病院などの循環水や排水など様々な場所に設置されています。

設置場所によっては水利権の問題などもありますが、天候によらない安定した電源であること、大型水力に比べて生態系に与える影響が軽微であるなどの理由で導入が広がっています。

メタン発酵ガス、いわゆるバイオガスが件数としては2番目です。家畜の糞尿や食品廃棄物を発酵、ガスを発生させて発電する方式です。太陽光や風力、水力と違って発電原料を集めて、発酵後の原料を処理するサイクルを構築する必要があります。発酵後の原料は肥料としても活用されます。食品廃棄だけでも年間1700万トンと言われています(平成22年度 農林水産省)。原料の収集と発酵後の原料の活用のサイクルを作ることで環境貢献、安定した電源になると思います。

3番目はフジテックスエネルギーでも力を入れている小形風力発電です。水色の折れ線グラフで、去年から導入数が伸びているのがわかると思います。近日中にバイオガスを抜きそうです。

まとめ

経済産業省のデータをひともとくと、中小規模の太陽光以外は小水力、バイオガス、小形風力の導入が進んでいます。ノウハウを磨いて新しい電源の開発を進めていきたいと思います。

また、私たちは太陽光発電についてもまだまだ改善の余地はあると考えています。これまで培った経験を基に産業として自立した太陽光発電所の設計・サポートを行って参ります。

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