政府は2030年の電源構成(エネルギーミックス)について、再生可能エネルギーを22~24%と発表しています。現在は10%程度と言われていますので、これから2倍に増やす必要があります。
安定した発電が可能な地熱や水力の割合を増やす方針にしていましたが、ハードルが高くあまり進んでいないようです。現在の再生可能エネルギーの割合は、約9割が太陽光が占めています。そのため、太陽光発電の買取価格を下げる一方、風力発電の環境アセスメントを緩和するなどして、風力発電の普及に力を入れているように感じます。
洋上風力などメガワット級の大型風車の導入も始まっていますが、小型風力発電も加速度的に普及しています。
小型風力発電の件数の推移
20kW未満の小型風力発電の認定件数は、2015年の3月に100件を超え、1年後の2016年には800件を超えています。設備認定の急速な増加から、小型風力発電への注目の高さがうかがえます。
一方、買取を開始した導入件数は67件にとどまっています。風況調査や事業計画を細かく立てず、とりあえず認定だけを取得しておき、建設を進めない案件があるのだと思います。同様のことは太陽光発電でもありました。
設備認定が一段と増えた2016年に、導入件数がどのくらい増えるのかは非常に楽しみです。
出典:資源エネルギー庁 統計を基に作成
都道府県別の小型風力発電の認定件数
資源エネルギー庁では都道府県別の認定件数の統計を発表しています。一番多いのは青森県で141件。実に全体の14%が集中しています。次いで、長崎県、鳥取県と続続きます。岩手県、山形県は思ったよりも少ないという印象です。
やはり風の強い場所で申請が多く出されています。
順位 | 都道府県 | 件数 | 偏差値 |
---|---|---|---|
1位 | 青森県 | 141件 | 91 |
2位 | 長崎県 | 88件 | 73 |
3位 | 鳥取県 | 79件 | 70 |
4位 | 鹿児島県 | 62件 | 70 |
5位 | 大分県 | 63件 | 63 |
6位 | 千葉県 | 55件 | 61 |
7位 | 静岡県 | 50件 | 60 |
8位 | 秋田県 | 48件 | 59 |
9位 | 島根県 | 46件 | 58 |
10位 | 北海道 | 44件 | 58 |
11位 | 福島県 | 35件 | 54 |
12位 | 新潟県 | 34件 | 54 |
12位 | 山口県 | 34件 | 54 |
14位 | 神奈川県 | 28件 | 52 |
15位 | 宮崎県 | 20件 | 49 |
16位 | 福岡県 | 19件 | 49 |
17位 | 茨城県 | 15件 | 48 |
18位 | 沖縄県 | 11件 | 46 |
19位 | 岐阜県 | 10件 | 46 |
19位 | 徳島県 | 10件 | 46 |
21位 | 愛知県 | 9件 | 45 |
21位 | 佐賀県 | 9件 | 45 |
23位 | 山形県 | 8件 | 45 |
24位 | 長野県 | 7件 | 45 |
順位 | 都道府県 | 件数 | 偏差値 |
24位 | 三重県 | 7件 | 45 |
26位 | 岩手県 | 5件 | 44 |
26位 | 宮城県 | 5件 | 44 |
26位 | 兵庫県 | 5件 | 44 |
29位 | 群馬県 | 3件 | 43 |
29位 | 埼玉県 | 3件 | 43 |
29位 | 岡山県 | 3件 | 43 |
29位 | 香川県 | 3件 | 43 |
33位 | 石川県 | 2件 | 43 |
33位 | 福井県 | 2件 | 43 |
33位 | 大阪府 | 2件 | 43 |
33位 | 奈良県 | 2件 | 43 |
33位 | 和歌山県 | 2件 | 43 |
39位 | 富山県 | 1件 | 43 |
39位 | 山梨県 | 1件 | 43 |
39位 | 滋賀県 | 1件 | 43 |
39位 | 広島県 | 1件 | 43 |
39位 | 熊本県 | 1件 | 43 |
43位 | 栃木県 | 0件 | 42 |
43位 | 東京都 | 0件 | 42 |
43位 | 愛媛県 | 0件 | 42 |
43位 | 高知県 | 0件 | 42 |
出典:資源エネルギー庁 2016年4月 統計を基に作成