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九州に続き四国でも始まった再生可能エネルギーの出力抑制。系統連系しないという選択肢は?

九州に続き四国でも始まった再生可能エネルギーの出力抑制。系統連系しないという選択肢は?

昨年12月に四国電力が再エネ発電の出力制御のルールを発表いたしました。再生可能エネルギーによる供給の増加により、需給バランスの調整が難しくなっている地域が増えています。

その結果、一時的な発電量の抑制を要請する状況が発生しています。

出力制御が必要な理由

よく知られているように電気は基本的に貯めておくことができません。そのため、電力会社は需要に合わせて供給を調整し続けています。

電気が足りないと周波数が低下し、電気が多すぎると周波数が上昇します。いずれの場合も電気を使用している設備への悪影響があり、最悪の場合は停電してしまいます。

供給の抑制は、揚水式、火力発電から

電気の供給過多が見込まれる場合、揚水式発電機、火力発電、長周期高周波数調整、バイオマス発電の順番に出力の抑制を行います。それでも需給バランスがとれなかった場合に太陽光・風力の出力制御を行います※1。

出力の抑制等を行う順番※1

  1. 電源I(一般送配電事業者が調整力として予め確保した発電機及び揚水式発電機)の出力の抑制と揚水運転
    電源II(一般送配電事業者からオンラインで調整ができる発電機及び揚水式発電機)の出力の抑制と揚水運転
  2. 電源III(一般送配電事業者からオンラインで調整できない火力電源等の発電 機(バイオマス混焼等含む)及び一般送配電事業者からオンラインで調整でき ない揚水式発電機)の出力の抑制と揚水運転
  3. 長周期広域周波数調整(連系線を活用した九州地区外への供給)
  4. バイオマス専焼の抑制
  5. 地域資源バイオマスの抑制※2
  6. 自然変動電源の抑制 ・ 太陽光、風力の出力制御
  7. 業務規程第111条(電力広域的運営推進機関)に基づく措置※3

※1: 出典:「優先給電ルールの考え方について」九州電力・2016年7月21日
※2: 燃料貯蔵の困難性、技術的制約等により出力の抑制が困難な場合(緊急時は除く)は抑制対象外
※3: 電力広域的運営推進機関の指示による融通

地域別の需給バランスの状況

再生可能エネルギーの接続可能量について、各電力会社は公表している数値を資源エネルギー庁がまとめて発表しています。

東京電力、中部電力、関西電力を除く地域で供給過多の傾向がわかると思います。太陽光発電は多くの地域で「接続可能量」を超えており、風力発電は地域によって少し余裕がある状況のようです。

2014年度 算定値 ※1

地域 風力 接続可能量 太陽光 接続可能量
北海道 56 万kW ※2 117 万kW
東北 200 万kW ※2 552 万kW
北陸 45 万kW 70 万kW ※3
中国 100 万kW 558 万kW
四国 60 万kW ※2 219 万kW ※3
九州 100 万kW 817 万kW
沖縄 2.5 万kW 35.6 万kW ※3

太陽光発電設備の接続済量、接続申込量等の状況 ※1

電力会社 「接続可能量」
(30日等出力制御枠)
接続済+接続契約申込量 設備認定量
北海道電力 117 万kW 209 万kW(2016年11月)
東北電力 552 万kW 887 万kW(2016年11月)
東京電力 1,456万kW(2015年7月)
中部電力 808万kW(2015年7月)
北陸 110 万kW 110 万kW(2017年1月20日) 130 万kW(2016年9月)
関西電力 660 万kW(2016年12月) 681 万kW(2016年9月)
中国電力 660 万kW 606 万kW(2017年1月) 627 万kW(2016年9月)
四国 257 万kW 274 万kW(2016年12月) 292 万kW(2016年9月)
九州 817 万kW 1,417 万kW(2016年12月)
沖縄電力 49.5 万kW

風力発電の接続済量、接続申込量等の状況 ※1

電力会社 「接続可能量」
(30日等出力制御枠)
接続済+接続契約申込量 設備認定量
北海道電力 36万 kW(実証試験分20万kWを除く) 42万 kW(2016年8月)
東北電力 251万 kW 250万 kW(2017年1月)
東京電力
中部電力
北陸 45万 kW 20万 kW(2017年1月)
関西電力 28万 kw(2016年12月)
中国電力 100万 kW 10.7万kW(2016年9月)
四国 71万 kW(2016年11月)
九州 180万 kW 126万 kW(2016年12月)
沖縄電力 2.5万 kW

※1: 出典:「接続可能量」の算定と今後の取扱い等について 資源エネルギー庁・平成27年10月及び各電力会社のウェブサイト。各数値は随時変動しておりますので、最新の情報を入手してください。本表を用いたことによる損害について弊社は保証いたしかねます。
※2: 風力「接続可能量」は、地域間連系線活用による実証分を踏まえたもの(北海道:20万kW 東北:40万kW 北陸:30万kW 四国:20万KW)。 但し、北海道電力では、地域間連系線を用いて、風力発電の出力に相当する電気を東京電力に送電することから、北海道電力の需給バランスに影響しないため、合成出力には含んでいない。
※3: 北陸については、系統WGの提示の考え方に基づく現行の接続可能量70万kWに加えて、連系線活用により接続可能量を40万kW拡大(北陸:110万kW)。四国、沖縄については新ルールへの移行により接続可能量を拡大(四国:257万kW、沖縄:49.5万kW)。

出力制御の対象

出力制御の対象は、各地域の需給バランス、申込をした時期、発電容量によって変わります。年間30日を上限に無補償で出力の抑制を要請できるケース、年間360時間のケース、年間の上限がないケースなどがあります。発電容量と地域によっても異なり、度重なる変更で複雑になってしまっています。

現時点では、東京電力、中部電力、関西電力の50kW未満は出力制御の対象外です。

出力制御の具体的な方法

九州電力につづいて、四国電力が出力制御の具体的なルールを公表しています。東京電力、中部電力、関西電力を除く電力会社が管轄する地域についても需給バランスが崩れており、出力制御の可能性があります。

九州電力の「優先給電ルールに基づく各発電事業者さまの対応内容について(平成28年7月1日)」によると、手動と自動制御の2つの方法が記載されています。

出力制御の連絡スケジュール※1

操作方法 前日 当日 操作内容
手動 前日17時頃までに翌日の出力制御の実施を指示(電話とメール配信) (特別高圧の事業者さまへは必要に応じ出力制御指示を解除(電話とメール)) 出力制御指示に基づき発電停止・運転操作(制御時間:8~16時※2)
自動制御 前日17時頃までに翌日の出力制御の実施を指示(ホームページ掲載・メール配信) (出力制御機能付PCSへの制御信号に基づき自動制御)

※1: 出典:優先給電ルールに基づく各発電事業者さまの対応内容について・九州電力・(平成28年7月1日)

出力制御のルール、見通しについて。四国電力(PDF)九州電力

まとめ

電力需給バランスの地域ごとの差。度重なるルール変更で、出力制御は複雑になっています。

今後の状況についても不透明な点が少なくありません。

これから申請を行う再生可能エネルギー発電慮には、電力会社による出力制御に対応したパワコンが求めらます。弊社では最新情報を収集して、最適なパワコンや監視装置をご紹介します。

また、蓄電システムを組み合わせた自家消費のご提案もしています。系統連携しないので、電力会社の出力制御の問題は発生しません。売電ではなく、電気代の削減で初期費用を回収するモデルです。産業用蓄電システムと自家消費についてご興味がありましたら、お気軽にお問合せください。

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