フジテックスエネルギーでは、蓄電システムの取り扱いを始め、先日セミナーを開催しました。再生可能エネルギーと蓄電システムについて書きたいと思います。
蓄電システムを始めた理由
下がり続ける買取価格、上がり続ける電気料金
2017年度の太陽光発電の買取価格は21円/kWhにするという調達価格等算定委員会の委員長案が発表されました。例年、委員長案が適用されてきましたので、2017年4月から21円/kWhが太陽光発電(10kW以上)の買取価格になるのではないかとみられています。2012年度の40円/kWhから比べて半分に、2016年度の24円/kWhから比べても12%下がりました。
一方の電気料金は、2010年からの4年間で約40%値上がりしています。電気料金が値上がりしているのは、原子力発電所の停止、再生可能エネルギーを普及させるための割賦金の負担が増えていることが要因です。2014年以降も値上がりを続け、2017年には太陽光発電の買取価格21円/kWhを上回ることも予想されています。
太陽光発電の買取価格を電気料金が上回るということは単純に考えれば売電するよりも、自家消費に回して電気料金を削減した方が得するということです。
逼迫する系統連系。再生可能エネルギー発電所への出力抑制も始まった。
いわゆる九州電力ショックで広く知られたように、電力会社が系統に受け入れられる電力には限りがあります。需要を大きく超えて再生可能エネルギーが発電した電力を受け入れることはできません。
東京電力、関西電力、中部電力以外では太陽光発電の受け入れ枠が逼迫してきています。また、九州電力、四国電力では電力供給が需要よりも多すぎる場合に再生可能エネルギーの出力抑制が行われたことがあります。再生可能エネルギー発電所は系統に流す出力を制御できる機器の設置が求められるようになりつつあります。詳しくはこちらをご覧ください。
太陽光発電所の建設費用を抑えて、21円/kWhという買取価格でも採算が合うように計画しても地域によっては売電ができないというケースが発生しつつあります。
再生可能エネルギーを自家消費する適地は?
このような状況になり、再生可能エネルギー発電所の電力を自家消費することが注目されています。
太陽光発電は一定以上の日射量があることが建設地の要件でしたが、自家消費する場合は当然近隣に自家消費する施設が必要です。そのため、工場屋根に設置する太陽光発電が自家消費に適した形態です。
どのように投資を回収するのか?
太陽光で発電した電力を蓄電システムに貯めて、上手に使うことで電気料金を削減します。
コスト削減その1:契約電力
契約電力は、当月を含む過去1年間の各月の最大需要電力のうちで最も大きい値となります。 ただし、電気使用開始から1年間の各月の契約電力は、電気使用開始月からその月までの最大需要電力のうち最も大きい値となります。
お客さまの30分毎の平均使用電力のうち、月間で最も大きい値を最大需要電力といいます。この値は、同時にお使いになる負荷設備が多いほど、大きくなります。
出典:東京電力エナジーパートナー ウェブサイトより
電力使用量が多い時間帯に蓄電池から電力を供給して、系統からの電力使用量を下げる。そうすることで契約電力をさげ、基本契約料を下げることができます。
蓄電池からの放電だけでなく、デマンドコントロールを併用してピーク時の電力を削減する方法があります。空調機の室外機の運転を短時間だけ止めて使用電力を削減します。短時間なので人が感じられる温度変化はほとんどありません。
※上記の表はイメージです。実際の電力と請求金額とは異なります。
2015年6月の最大需要電力、つまり30分間の平均使用電力のうち最も大きい値が320kWだったため、その後1年間の契約電力が320kWになっています。そのため、基本契約料が54万円になってしまっています。270kWとの差額が5万円。年間で60万円にもなります。
コスト削減その2:使用電力量
もちろん、太陽光発電の電力を自家消費することで使用電力料も下げることができます。
コスト削減その3:助成金・減税
太陽光発電、蓄電システムを導入するにあたって利用できる助成金や減税を使って初期投資費用を抑えます。
10年以内に投資回収できる蓄電システムのご提案
下がる買取価格、上がる電気料金、系統連系の問題という状況に対して、再生可能エネルギー発電と蓄電システムを使ってコストを削減するというのがご提案です。
投資回収は10年以内を目安にしています。利回り言うと10%以上です(コストダウンのご提案なので利回りという言葉は適切でないかもしれませんが)。20年間買取価格が保証されている再生可能エネルギーと、今後上がるか下がるかわからない電気料金を同じように語れませんが、選択肢の一つになると思います。
工場屋根に太陽光発電をすでに設置していて、まだ空きスペースがある。しかし、買取価格が下がっているので投資を躊躇しているといった方には、ご検討の価値のある提案だと考えています。蓄電システムの販売を希望する方からのご相談も承っています。
ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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